コラム

地域おこし協力隊Café

【2026年1月号】八雲のチーズや海産物をもっとおいしくするワイン造りに夫婦で奮闘する毎日です!

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掲載号:2026年1月号

都会に住む人が課題を抱える市町村に移住し、才能や能力を発揮する地域おこし協力隊。今回は、ワイン造りに取り組む八雲町の隊員を紹介します。

茂木真夕子さん
北海道石狩市出身
茂木真夕子もぎまゆこさん

私は札幌でソムリエとしてワインのサービスに携わってきましたが、夫と将来を考えた際、一生をかけて二人でできる仕事を立ち上げたいという思いから、共通の趣味であったワインに着目しました。そんな中、夫の故郷である八雲町に帰省した際、町が醸造用ブドウの試験栽培を行っている情報を耳にし、役場に話を聞きに行ったのが協力隊に参加したきっかけです。北海道には素晴らしいワイン産地が多くありますが、あえて夫の故郷である八雲を新たな事業の地として選びました。

夫の琢磨さんとワイン畑で。植苗や剪定などの作業をほぼ2人で行った。

活動当初、果樹栽培の歴史がない八雲でのワイン造りは適していないと思われていましたが、調べてみると、年間を通しての寒暖差や日照時間などで、実は高品質な醸造用ブドウの栽培に理想的な気候条件を備えていることが分かりました。こうした情報を積極的に発信し、自分たちのワインを実際に試飲してもらうことで、少しずつ理解を得ていきました。

町民向けに試飲会を開催

栽培・醸造技術の習得に加え、北海道内のワイナリー生産者との横のつながりも非常に重要だと感じています。北海道が主催する「北海道ワインアカデミー」などの研修プログラムに積極的に参加し、資料だけでは分からない現地の生きた情報や経験を得ています。意見交換し、良いと思ったことはすぐに持ち帰って畑で実践することで、畑の成長と私たち自身の経験を深めることができました。

熊石あわびフェスティバルの試飲ブースでワインをふるまう茂木琢磨さん。

酪農と漁業が盛んな八雲町には、乳製品、お肉、ホタテやサーモンなど、ワインとの相性が最高の食材が豊富にあります。私たちの目標は、この豊かな食とワインを繋ぐ架け橋となり、八雲町でしか味わえないマリアージュを実現することです。ブドウの木は人間よりもずっと長生きし、100年を超えて育つもの。私たち一代で終わるものではなく、後継者へと代々つないでいく長期的な産業として、八雲の地にワイン文化を根付かせていきたいと考えています。

インタビュー動画もご覧ください


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